コロナ禍での三密を避けることを目的に自転車での移動をする方が増えてきているようです。天気がいい日には運転していても気持ちがいいですし、レンタサイクルを備えるコンビニエンスストアも多くなってきたように思います。
しかし、注意しなければいけないのは事故。「たかが自転車」と思っているととんでもないことになりかねません。実際に1億円近い損害賠償が発生している事故もあります。
(2013年7月兵庫県・神戸地裁、坂道を下ってきた小学5年の少年の自転車が歩行中の62 歳女性と衝突し歩行者の女性が意識不明、賠償額9,520 万円)
こうした事態を受け、上記の事故があった兵庫県をはじめとして(2015年)、東京都等多数の地域で自転車保険が義務化されています。
では、どのような自転車保険がよいのでしょうか?
一般的には、「個人賠償責任保険(自転車で他人にケガをさせた時の補償)+傷害保険(自分がケガをした際の補償)」という構成になっていることが多いようですが、実は傷害保険がメイン(「主契約」といいます)であり、個人賠償責任保険はオプション(「特約」といいます)であることが多いのです。
「高額賠償への備えがあればいいのだから個人賠償責任保険だけあればいい(自分のケガの補償はいらない)」という方もいらっしゃると思いますがごもっとも。しかし、現在個人賠償責任保険を単品で販売している保険会社はないのです。なぜかといえば、個人賠償責任保険部分の保険料は1,000~2,000円前後であり、単品で販売するには保険会社のコストが見合わないのです。(筆者が保険業界に入った30数年前には単品で売っていましたが)だから、他の保険にセットして販売しているのです。
ただ、個人賠償責任保険をセットできるのは傷害保険だけではなく、従来から契約している自動車保険や火災保険にセットされていることもあります。この場合、わざわざ新たに自転車保険に加入する必要はないのです。重複して加入することは保険料のムダになります。
また、個人賠償責任保険の補償の対象となるのは被保険者・配偶者・同居の親族・別居の未婚の子ですので、家族で1契約あればいいのです。
なかには自動車保険と火災保険とを別な保険会社で加入し、さらには会社の団体傷害保険も契約し、その全てに個人賠償責任保険が特約でついていることに気づかないまま、更に自転車保険にも加入して、四重に重複しているケースを見たことがあります(笑)
しかし、普通の方はなかなかこのことに気が付かないと思います。こんな時こそプロである保険代理店にお任せするべきです。当社社員に保険証券を拝見させていただければ、こうした点もチェックできますよ。