日之出日記

新種保険

🔐報告義務+賠償リスク時代に備える。サイバー保険は企業の安全ネット

1. はじめに ― サイバー事故は“いつか他人事”ではない

昨今、企業や組織を狙ったサイバー攻撃・情報漏洩事件が後を絶ちません。
「大手だけじゃなく、中小企業にも起こる」現実があります。

  • 政府の白書(総務省「情報通信白書」など)でも、情報通信分野におけるインシデント発生件数・相談件数の推移が報告されています。 (参考:総務省「令和7年版 情報通信白書」)
  • また、企業向け保険会社も、サイバー保険の扱いを強化しており、実際の支払い事例も公開しています。
    → 損保ジャパンでは、賠償責任補償・事故対応費用補償を主軸とした商品を提供しています。 損保ジャパン サイバー保険|損害保険ジャパン

2. サイバー事故・情報漏洩の現状データ

✔ 総務省白書からの傾向

総務省の白書によると、情報通信分野でのインシデント相談件数・報告件数は年々増加傾向にあります

✔ 実際の支払い事例(損保ジャパン 例)

  • 想定事例:クラウド型問い合わせサービス事業者が不正アクセスを受け、数千件の個人情報を流出 → 調査・復旧・見舞金などで 約1,300万円 の損害が発生したという試算あり。 損保ジャパン サイバー保険||
  • 補償範囲:
     賠償責任だけでなく、事故対応の初動、ログ調査、被害拡大抑制、システム復旧などの費用を補う構成になっています。

3. 漏洩時の国への報告義務と法制度の枠組み

サイバー・情報漏洩が発生した場合、単なる損害賠償だけで済む話ではなく、法制度による報告義務・罰則が関わってきます。

✅ 報告義務の実情

  • 漏洩が一定規模に達すると、 国(監督機関)への報告義務が法律で定められている場合があります。
  • たとえば、個人情報保護法の枠組みでは、個人情報の漏洩や侵害が判明した場合に個人情報保護委員会への報告・通知が求められ、その後の対応を指導されることがあります。
  • また、報告義務違反に対しては 懲役・罰金 の可能性があります(個人情報保護法178条など

✅ 賠償責任・損害賠償義務の現実

  • 漏洩したデータが個人情報であれば、被害者に対して 損害賠償の責任 を負うことになります(民事責任)
  • さらには、法による命令違反や是正命令に従わなかった場合、懲役・罰金 が科されることもあります(個人情報保護法
  • 企業が漏洩した場合に賠償金額が数千万円、数億円レベルに達した事例も報じられています。

このように、漏洩対応は金銭的リスクだけでなく、法的リスク・社会的信用リスクも内包します。


4. なぜ“サイバー保険”が不可欠になるのか? ― “盾としての保険”

漏洩が起きたら報告義務・賠償責任という重荷を背負う現代において、サイバー保険は“リスクヘッジの最前線”となります。

🛡 サイバー保険の主な補償構成(損保ジャパン)

損保ジャパンのサイバー保険では、基本補償+オプション補償の組み合わせで、多角的にリスクをカバーする構成です。

  • 基本補償
    1. 賠償責任補償:他者へ損害を与えた場合の損害賠償責任
    2. 事故対応費用補償:初動対応・原因調査・被害範囲把握・通知・復旧コストなど
  • オプション補償
    • 喪失利益・営業継続費用補償(システム停止による機会損失対応)
    • 対人・対物損害補償(サイバー攻撃で物理的被害を起こした場合)
    • ITサービス業務補償(ソフトウェア瑕疵やサービス提供に起因する損害対応)
    • 求償権放棄追加条項(保険金支払後、被保険者が元加害者に求償する権利を放棄)

✅ サイバー保険が与える「安心」

  • 漏洩・事故対応で膨れ上がるコストを保険で分散
  • 法的責任を問われたとき、賠償リスクを軽減
  • 報告義務・対応スケジュールのプレッシャー下で、迅速対応支援体制が使える
  • 被害拡大を抑えるための初動対策費用を賄える(調査・通知・再発防止など)

たとえば、実際のサイバー事件で損保ジャパンのサイバー保険で支払われたケースでは、賠償金だけでなく調査/復旧費用も含め 4,800万円程度 の支払い決定がありました。

なお、事故対応初期段階の費用は、判決前でも支払われることがあるという保険設計もあります。

漏洩事故はもはや「事故」ではなく「経営リスク」です。
報告義務・法律責任・賠償リスクを抱えながら、対応コストを自前で賄うのは危険です。
だからこそ、サイバー保険が“盾”として不可欠
まずは試算・見積もりから。備えあれば憂いなしです。